NO.149
安全なインプラント手術(1)
今回は前歯などで骨が薄い場合の安全なインプラント埋入手術について説明させていただきます。
一般的にインプラントは歯肉を開いて骨をドリルで削合してその穴にインプラント体を埋入します。ただ、前歯など骨が薄い場合、ドリルで削合すると骨の壁が壊れたり横に穴が開いたりとトラブルの可能性があります。どのように熟練した歯科医でも事故は起こりえます。
ではどうすればいいのか?原因を考え工夫することが必要です。私はこのような症例ではドリルを使わず、上部の硬い骨を一層バーで削りその後はアイスピックのような道具を使い、手の力で少しずつ骨を広げていきます。結構、力を必要しますが手の力では骨の壁を破るのは困難ですので、当然事故が起こる余地は無くなります。どのような症例でも事故を防ぐ努力は必要ですが、経験とシステムが必要です。