NO.104 インプラント手術の安全性確保とは(2)

前回は薄い骨に対してはドリルで削るのを避け手の力でインプラント埋入窩を作るお話をさせていただきました。
 今回は上顎の奥歯で骨の薄い人へのインプラント埋入手術についてお話しいたします。この手術は実は大変困難な手術なのです。大学病院等で骨が0,5ミリから3ミリ程度の場合、まず骨を作ることから始めます。入院して全身麻酔か局所麻酔で腰の骨を削り自家骨を採取し、同時に上顎の空洞(上顎洞)を開きそこに自家骨と人工骨を混ぜたものを入れ、骨を作ります。約6カ月から8カ月待って、骨が出来てからインプラントの埋入手術に入ります。おおよそ一年の期間と大きな手術を伴います。骨採取手術においては血圧の上昇やバケツ一杯の出血があったとの報告もあります。太平洋戦争中の大鑑巨砲主義を彷彿とさせます。