NO.42 「お口の病気と全身の病気」(その4)

 ・歯周病以外のお口の病気
前回までは主に歯周病が全身に与える影響についてお話しましたが、今回はそれ以外のお口の病気についても確認してみたいと思います。まず思い浮かぶのが「虫歯」です、頻度も一番多いでしょう、次に親知らずの周りで起きる「智歯周囲炎」、清掃が適切でない「汚れた義歯」などです。義歯に関しては汚れ(歯垢)が表面に付着して、細菌叢をつくります、歯周病等とは若干違う経過ですがやはり影響は大きいです。虫歯は穴ができ時間の経過とともに深くなっていきます、そこは歯ブラシが届きませんので歯垢や汚れ、食べかすがたまり、細菌の塊となます。また放置しておけば悪化していき、時として慢性化して根の先端の炎症がひどくなります。また智歯周囲炎も歯の周りの歯肉に炎症が起き、似たような経過で進みます。歯垢の中の細菌が歯周病と同様に毛細血管から血管の中に入り全身に運ばれ、その結果、細胞がつくるサイトカインへの影響やその他、細菌に対する生体反応が全身疾患を起こすことは前回の歯周病と同様です。虫歯も放置しないで早めに治すことが大切でです。今回始めて読まれる方には分りにくいと思いますので詳細は、こちらにて「診療ヒント」を参照してください。