当院の次亜塩素酸電解水空気清浄機の安全性について

 当院の次亜塩素酸電解水空気清浄機の安全性について

次亜塩素酸電解水の噴霧について危険性を伝える報道があり当院の患者様からも質問がありましたので安心して診療を受けられるよう資料をまとめてみましたのでご一読いただければ幸いです。
当院で使用している次亜塩素酸電解水空気清浄機(パナソニック製のジアイーノ)は次亜塩素酸水噴霧器ではありません。
次亜塩素酸電解水の中を空気が通りウイルス、細菌等を殺菌して清潔な空気を放出する構造です。その際、量は少ないですが次亜塩素酸電解水が空気に交じり小さなミストとして9時間で1台当たり10ppm(約10mg/L)の純粋な次亜塩素酸電解水、約400㏄が排出されます。資料1にありますが(4)の非常に安全な次亜塩素酸電解水です。
 

職員の残留塩素量

職員は4日半、診療に従事し、9時間程度診療室に滞在しています。9時間居た場合の吸収量は00102272 mg/L(計算式は後述の資料2参照)です。例えば、水道水の残留塩素量は01から0,5mg/Lですから職員は毎日9時間診療、診療補助(休憩時間を抜いて)をして身体に入る塩素量はコップ半分の水道水(100ml)を飲んだのと同じ量となります。まして水道水は猛毒の次亜塩素酸ナトリウムを使用しています。暑い夏の場合は水道水の塩素量が0,5mg/Lに増えますので9時間で大さじ2杯分ぐらいの水道すいを飲んだぐらいの量です。健康を害する量ではないと考えております。
患者さんへの影響ですが、個人差はありますが、週に1ないし2回通院して30分から3時間ぐらいの滞在が一般的です。職員の滞在時間と比べ非常に短いのでほとんど体には残留しませんので問題ありません。
 

次亜塩素酸電解水空気斎場気を長期利用した場合の問題点

前項では単に体内に入る次亜塩素酸電解水の量のみを確認しましたが長期利用して例えば肺の中の常在菌(特に身体によい善玉菌)をどれだけ殺してしまうかが問題です。
そこで
ウイルス、細菌の大きさとそれに作用するミストが気になります。
それぞれの大きさを数値で表すと
細菌:15μm(マイクロメートル)
ウイルス20300nm(ナノメートル)
1μm(マイクロメートル)=1/1000mm(ミリメートル)
1nm(ナノメートル)=1/1000μm(マイクロメートル)
つまり、細菌の方がウイルスよりも1000倍以上大きいのです。
分かりやすく例えると人間が地球なら細菌はゾウ、ウイルスはネズミくらいの大きさになります。
ジアイーノから出るミストの大きさはかなり小さく0,1μm位と思われます
ゾウにバケツで次亜塩素酸電解水をかけるくらいです。ネズミにバケツ一杯で作用させれば即死するイメージです。
例えば、霧では数μm(マイクロメートル)~数10μm  煙では 01~数μm
 

考察 ジアイーノの正しい使い方

連日24時間使用は避けたほうがいいと思われます。さすがに2週間、3週間と連続使用すると肺の健康を維持する常在菌まで死滅してしまう危険があります。メーカでは90日ほどの連続使用の動物実験の結果、問題ないとありますが疑問は残ります。
そこで提案は156時間使用しスイッチを切り使用をやめることをお勧めします。
夜間睡眠時に口腔内、鼻腔、上気道に歯周病菌や雑菌が作るたんぱく分解酵素(プロテアーゼ)が傷を作りその傷からウイルスが感染していきますから夕方から夜寝るまでの間が効率的だと思います。
 

資料1

次亜塩素酸の種類

一般的に次亜塩素酸と言われる塩素系化学薬品は数多くありますがマスコミや経産省でも正確に分類されていません。広義の意味の次亜塩素酸をひとくくりにされている状況です。科学的特徴などを理解し分類する必要があります。4つに分類してみましたので参考にしてください。
(1)強アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム(NaCLO)」 
ハイターやカビキラーなどに使われる猛毒の化学薬品。水道水の消毒にも使われています(一部の自治体では後述の次亜塩素酸電解水を使用)。浄水場では5から10ppm(約10mg/L)、末端の家庭の水道の蛇口で0,1から0,5 ppm(約0,5mg/L)の範囲になるよう水道法で決まっています。
(2)強アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム」に、希塩酸や炭酸ガスを充填してpHを5から6程度に調整したもの。殺菌効果が上がり純粋な強アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム」より毒性が少し下がるがやはり猛毒です。
(3)ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが主成分の粉末を水に溶かす次亜塩素酸水これも「次亜塩素酸水」ですが不純物が多く噴霧すると「咳が止まらない」、「気分が悪い」、「吐き気」、「のどが痛い」、「目が痛い」等の体調不良を起こすことが多くあります。
水にジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを加えると、イソシアヌル酸、次亜塩素酸、水酸化ナトリウムの混ざった水溶液となります。
次亜塩素酸の部分は酸素を遊離して塩酸になって行きますので、一部は水酸化ナトリウムと反応して塩化ナトリウムになりますが、発生する塩酸の量のほうが多いです。放置すると最終的には、イソシアヌル酸、塩酸、塩化ナトリウムの水溶液になります。
中国産、国産の次亜塩素酸対応の噴霧器で一部「次亜塩素酸のもと」となる白い粉をセットで販売しています。これは上記のように不純物が多く体調不良の原因となります。今回、経産省、厚労省が噴霧に対しての危険性を公的に発信した原因となっています。
(4)塩を水で溶かし通電して電解する装置で作る次亜塩素酸電解水
不純物がなく紹介した中で一番安全と言われています。食物に残留がなければとの条件で食品添加物として許可されています。当院のジアイーノ内部で生成されているタイプです
 

資料2

職員の残留塩素量の計算式

おおだち歯科医院の診療室の広さ(職員控室、歯科医控室、トイレ等を除く) 約40
高さ 2,4m  
40坪×3,3㎡=132㎡
医院の体積 2,4×132=316,8㎥=316800ℓ(1㎥は1000ℓ)
人の吸気量 一回500㏄ 毎分15回 9時間
0,5ℓ×15回×60分×9時間=4050
 
パナソニック製ジアイーノの次亜塩素酸電解水濃度
約10mg/L(10ppm
9時間の電解水消費量 2台で08
職員1人当たり9時間滞在時の次亜塩素酸電解水(HCLO)摂取量
4050÷316800×0800102272 mg
 
水道水の残留塩素の量は冬は01mg/L程度、気温の高い夏は0,5mg/Lですから職員は毎日9時間診療、診療補助をして冬ではコップ半分の水道水(100ml)、気温の高い夏では大さじ2杯程度を飲んだのと同じ量となります。まして水道水は猛毒の次亜塩素酸ナトリウムとなります。