歯科診療ヒント (141)〜(145)

おおだち歯科通信NO.141
口腔ケア、口腔内フローラのコントロールvol.3
(1)殺菌性のあるデンタルリンスの応用
(2)低濃度の次亜塩素酸電界水での洗口
(3)歯に対して有用な善玉菌の応用
ラクトバチルス・ロイテリ菌や乳酸菌TI2711(乳酸菌LS1)など
今回は上記(2)の特徴や利点、欠点について
(2)の低濃度の次亜塩素酸電界水はハイターなどに含まれている次亜塩素酸ナトリウム程の危険性はありません。
一般に「パーフェクトペリオ」という商品名で呼ばれています。次亜塩素酸(HClO)を主体とする殺菌作用を期待した機能水の一種で、虫歯予防や歯の神経の治療、そして歯周病の治療に効果があることが一部の歯科大学の研究で報告されています。しかし、これらの研究はいずれも動物などへ行う基礎的な研究で、人への研究についての報告や世界的に認められている学術雑誌の論文はほとんどなく、人への応用に関し安全性と有効性が疑問視されています。あくまで、個人の責任で使用することになります
紙面の関系で(3)は次回に譲ります。
バックナンバーは当院HPこちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.142
口腔ケア、口腔内フローラのコントロールvol.4
(1)殺菌性のあるデンタルリンスの応用
(2)低濃度の次亜塩素酸電界水での洗口
(3)歯に対して有用な善玉菌の応用
ラクトバチルス・ロイテリ菌や
乳酸菌TI2711(乳酸菌LS1)など
今回は上記(3)の特徴や利点、欠点について
(3)の善玉菌の応用ですが「乳酸菌TI2711(乳酸菌LS1)」は抗菌の範囲がL.ロイテリ菌と比べると狭いので、今回はL.ロイテリ菌についてお話したいと思います。
L.ロイテリ菌は10数年前からスウェーデンにおいて全身のアレルギー抑制やピロリ菌感染抑制、感染症抑制、母乳の改善などの研究がすすめられてきました。また、胃酸に強く、生きたまま腸に到達し腸内フローラを整えることで免疫力を強めます。
歯科領域では歯周病菌や虫歯菌の発育を妨げることでそれぞれの予防効果が認められます。現在までは副作用の報告もなく安全です。口腔内から腸内へ移行するので両方のフローラを整えることが出来ます。今後、研究が進み厚労省の認可を受け、健康保険の適用を期待したいところです。
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おおだち歯科通信NO.143
顎関節症について
顎関節症は顎関節の開口障害(口が開かない)や痛み、違和感(関節から異音がする)などが症状として見られます。
 顎関節症は以前より原因の特定が難しく難症例と言われてきました。原因は多種多様で複数の要因が積み重なって発症していると言われています。    
原因をいくつか挙げてみます。
1、咬合の変化や異常
 加齢とともにかぶせものをしたり、歯を抜き義歯を入れたりすると咬み合わせが微妙に変わります。また、治療をしてなくてもご自身の歯のすり減りなどにより変化して行きます。
2、習慣や習癖によるもの
 就寝時の姿勢、寝不足、歯ぎしり、片咀嚼(左右均等でなく片方だけ、あるいは前歯だけで咬み続ける)、うつ伏せ読書、楽器の使用、重量物の運搬などの仕事上の原因など多種多様です
3、精神的要因
 過度の緊張、不安、抑鬱などのストレス
4、スポーツや交通事故等による外傷
 あまりにも原因が多く特定しにくいのです、次回は原因を減らすアイデアと治療の実際に触れて行きたいと思います
バックナンバーはこちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.144
顎関節症について vol.2
前回は顎関節症の原因について触れました。今回は顎関節症の分類と治療法についてお話します
分類(専門的ですので右側の症状を参考に)
T.咀嚼筋痛障害 症状として筋肉痛がある
U.顎関節痛障害 顎関節痛がある
V.顎関節円盤障害 クリック(音がする)があるクリック消失後開口障害に分類
W.変形性顎関節症 骨変形、クリピタス(がりがり、ジョリジョリといった摩擦音等)などが認められる
治療法(分類や症状に応じて選択的します)
1、生活指導 顎関節に負担をかける癖を直す
2、理学療法 病気や加齢などで衰えた機能を温熱、電気その他、物理的手段で治療する
3、スプリント療法 歯列の上に斬間的にマウスピースのようなスプリントを入れて治療する方法です、安全で一番広く用いられます 
4、薬物療法 痛み止めや消炎剤を使用
5、咬合療法 咬合を調整やかぶせもので改善
6、外科療法 生理的食塩水での洗浄や内視鏡での手術
紙面の関係で詳細は次号に譲ります。バックナンバーは、こちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.145
顎関節症について vol.3
 前回は顎関節症の分類や治療法種類についてお話しました。今回はそれぞれの治療法内容を説明したいと思います。
治療法(分類や症状に応じて選択的します)
1、生活指導 顎関節に負担をかける癖を直す
具体的には歯列接触癖、頬杖、うつぶせ寝、かたい物を好んでかむ癖などです。歯ぎしり、食いしばりなども筋弛緩法などで軽減する必要があります。
2、理学療法 病気や加齢などで衰えた機能を温熱、電気その他、物理的手段で治療する
具体的にはリラックスした状態で口腔を中心とした筋ストレッチ、筋マッサージ、体操等です。他に温熱療法としてレーザーの利用やお風呂に入ってリラックスしてマッサージする事で効果が出ます。
スプリント療法以下は紙面の関係で次号に譲ります。スプリント療法が治療の中心となりますので次号で詳しく解説したいと思います
3、スプリント療法  
4、薬物療法 
5、咬合療法 
6、外科療法 
バックナンバーは当院の診療ヒントをご覧ください。こちらです


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