歯科診療ヒント (121)〜(125)

おおだち歯科通信NO.121 
万病退治の奇跡、歯ブラシの効用」 vol.9
 前回は、「NHKスペシャル第3回 老いと戦う免疫細胞 老化防止」の番組の中で「加齢とともに不良T細胞の暴走が増え、脳梗塞、心筋梗塞等の自己免疫疾患が増加し、死にいたる例も」、と紹介しました。そしてその対策は
(1)若いうちからT細胞も含め、すべての細胞分裂時のコピーミスを減らす
この項は前回、説明させていただきました。
2)不良T細胞を出来るだけ活動させない
加齢とともに不良T細胞が増え暴走するのを防ぐには身体の中の免疫反応や感染等による炎症を減らすことが一番効果的です。例えば、花粉や食べ物からのアレルギー反応、風邪や怪我などからの感染症は一過性です。良く考察すると、歯周病での歯肉炎が慢性的に一年を通じて存在する事が分かります。この歯肉炎をコントロール出来れば多くの時間、不良T細胞を活動させずにお昼寝させておくことが出来ます。脳梗塞、心筋梗塞等の不慮の事故から身を守り、成人病を軽減するには歯ブラシの徹底以外にありません。そして以前紹介したリンス療法がこの助けとなります。どんな名医にかかるより自分で歯ブラシをすることが健康への近道です。
バックナンバーは当院のHPもしくはこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.122
「万病退治の奇跡、歯ブラシの効用」まとめ
「万病退治の奇跡、歯ブラシの効用 vol.1〜9」完結しました。(当院のHPこちらの診療ヒント(113から121)をご覧ください。
まとめとして一言で表現すれば「歯肉の炎症を抑えることが歯周病の予防と多くの成人病の予防、軽減につながる」ということです。
 そのためにご自身では(ご指導いたします)
・歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス(糸)を用いた100点満点の歯ブラシを身につけていただく
・歯周ポケット洗浄療法(リンス療法)にて、ご自身でポケットに薬液を入れて歯周病の炎症を限りなく小さくしていただく
 診療室では、症状により必要に応じて以下の3項目を実施します
・定期健診と同時に歯面清掃P.M.T.C. .(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)を行っていく
・歯周病が中程度に進んだ方は歯の根元付近を取り巻く歯肉のポケットの機械的清掃
・重度の歯周病の方にはFMD(フルマウスディスインフェクション)を提案したいと思います
健康で質の高い生活(Q.O.L)をお望みの方は一度、相談にお越しください。
 
おおだち歯科通信NO.123
「食べ物を良く噛んで食べる」
2002年ごろ「食べ物をきちっと咬む効用」と題して投稿しましたが、今回は13年経過し医学的に解釈が変ってきているので再度変更点を示しながら考察したいと思います。
  当時『人の身体の成長はおおよそ18歳で止まります、当然上下の顎骨や唾液線の成長も同様です、離乳食から一般食になったら「きちっと咬ませる」という事を意識してください。まず「きちっと咬む」事により顎骨を適正な大きさに成長させます、きちっと咬まない人は顎骨が小さく不正歯列等の原因となります、また「きちっと咬む」事により唾液が多く出て、それに対応するために唾液線はどんどん成長して行きます、大人になってからでは成長は多くを望めません、小さな時からご家庭で食事の時に優しく指導して下さい』とお話しました。現在もそれぞれ大切なことは変りませんが最近の学説ではもっと早く、「授乳中におおよそ決まる」と言われています、特に顎骨の成長においては顕著です。出来るだけお母さんの母乳を与え一生懸命吸わすことが成長の基本です。 免疫の問題もあり、母乳重視が自然でしょうか。
バックナンバーは、こちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.124
「虫歯再発防止に取り組む歯科医」
 先日のテレビ番組で酒田市の歯科医が取り上げられました。有能で歯科医療に取り組む姿勢は大変尊敬できます。
 要点は患者さんの口腔内環境を良くして虫歯の再発防止を第一と考えている点です。そのため、虫歯治療に来院してもブラッシング指導等を何週間かにわたり実施し、常にきれいな口腔環境が維持できるようになって初めて虫歯治療に入るというものです。忙しい方には大変不評で目的の虫歯治療まで何度も通院しなければなりません。番組では患者さんの希望にこたえて早期に虫歯治療をしてしまいその後、約束していた口腔ケアに来院されない現実を紹介していました。
 問題点は治療を先延ばしにして「口腔ケアを徹底しないと治療しないぞ」、あるいは「私のために長い人生の健康を心配して指導してくれるのだ」と受け取るかの違いだと思います。理論的には酒田の先生は正しいです。人生には忙しい時もあり、若いうちは「今、自分にはもっと大事なことがあるんだ」と考える瞬間もあると思います。結論はありませんが歯科医院サイドは常時信号を出し、患者さんは我に返った時この信号を受け取ってくれればと思います。
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おおだち歯科通信NO.125
歯科医の薦める「生活改善プログラム」
 一昨年、昨年と、このコーナーで口腔ケアと全身の疾患との関係をお話してまいりました。クオリティー オブ ライフと成人病予防等の観点から今回、その内容を実情に合わせ、わかりやすくプログラム化して皆様に紹介しようと思っています。テレビ等で多種、多様な情報を得ているとは思いますが優先順位やどの程度徹底するか、取捨選択したい、あるいは継続できない等、お悩みの方が多くいらっしゃいます。参考にと思います。

「生活改善プログラム」概要
口腔ケア
・ブラッシングの徹底
・虫歯、歯周病等の口腔検診、治療
生活改善
・食生活改善
・生活習慣の改善 良質な睡眠、運動の奨励
詳細は次号以降で紹介いたします。当院では今回紹介する生活改善プログラムの一部を既に実施したおりますが、「生活改善プログラム」として実際に実施するのは準備の関係で平成28年4月からを予定しています。
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