NO.98 東日本大震災における見えない支援

 
このたびの東日本大震災でなくなられた方のご冥福をお祈りいたしますと共に、罹災されたかたがたに心よりお見舞い申し上げます。
 さて、今回、電気のないことの重大さを認識したのは私だけではないと思います。また、歯科医としてこの大きな災害に対峙しなければならない状況にもなりました。もともと母校歯科大学で全国同窓会会長の立場におり、東北各県の卒業生の安否および被災確認、義捐金依頼、対策委員会の設置、支援方法の模索、役員の現地調査派遣などなどです。ただ、その中で見えてきたものもあります。マスコミ立ち入り禁止で行われている遺体の検案です。歯の治療内容等により身元の確認を行います。地元歯科医を中心に全国からボランティア歯科医数百人規模で各遺体安置所にて今日現在も行われています。ただ、体育館等で数百の並んだご遺体は損傷し、腐敗もかなりのものです。ご遺体の検案作業は漂う悪臭も加算され凄惨を極めます。
外に出て嘔吐する歯科医、不眠症で精心的疾患に陥る歯科医。同じ歯科医として報道では語られない支援ボランティアの姿をお伝えしたいと思い話させていただきました。