NO.64 「義歯何でも相談」 (12)
困難な症例 vol.3
困難な症例vol.1と2に続き今回も困難な事例についてお話したいと思います。
今日御紹介するのは歯を抜いて長い期間経過したために義歯の台となる骨が吸収して歯肉は残っているが中の骨が解けてなくなってしまった症例です。
前回紹介した顎堤がなくなってしまった場合に類似していますが、よく見ると顎堤があるように見えます。ただその顎堤が柔らかく手で触るとぶよぶよしていて中に骨が無いのです。結果的に前回お話した事例と同様に義歯を作るのは大変困難です。使用状況も前回紹介した場合と同様、骨が無いので義歯が安定せず、食事をしたり、話をすると動いてしまうのです。それに加え、形採りを行い、模型を作り義歯に仕上げますが、模型上では柔らかい部分が分りませんので合わない義歯になってしまいます。出来上がった義歯を使うと顎堤の柔らかい部分が沈み痛くて咬めません、またかみ合わせの高さも変わってしまいます。
このような方の対処法は次回述べさせていただきます。