歯科診療ヒント インプラント Q&A NO.31 〜 NO.35

おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.31
Q.インプラントを考えていますが、とても痛がりで躊躇しています。
  全身麻酔を進められていますVol.2
A.前回お話したインプラント施術時の全身麻酔についてもう少し詳しくお話します。
歯科インプラントの手術の場合、吸入による本格的な全身麻酔ではなく、前段の麻酔導入剤と手術部の局所麻酔が一般的です(骨造成などの特殊手術等で例外はある)。最近の麻酔導入剤の主流はプロポフォールです。鎮静作用の機能しかなく、鎮痛効果はありません、よって手術部の局所麻酔の併用が必須です。
プロポフォールの利点は効きやすく醒めやすいことで、手術後、自分で車を運転して帰れます。欠点は静脈注射時、血管痛が強いことです。
前回、局所麻酔について「注射麻酔は針のない注射器の使用や回数を分けて注射する事で痛みはかなり軽減でき、麻酔が効いていれば手術中の痛みは皆無です」とお話ししました。冷静に考えてみると血管痛が強い麻酔導入剤の静脈注射をするより、丁寧な局所の注射麻酔のみ方が痛みやストレスは少ないような気がします。もちろんインプラント埋入の本数や特殊手術もありますので一概には言えませんが一考することお薦めします。
投稿のバックナンバーは当院のホームページ
こちらの診療ヒントを参考にして下さい。

おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.32
Q. 上の奥歯を二本抜き、そこにインプラントを入れたいのですが骨がとても薄いとの事で、骨のあるところを探して3本ほどインプラントを入れましょうと言われました。普通に2本のインプラントでは出来ないのですか?
A. 上顎の奥歯で上顎洞底の骨の薄い人へのインプラント埋入手術は実は大変困難で、大学病院等で骨が0,5ミリから3ミリ程度の場合、まず骨を作ることから始めます。入院して全身麻酔か局所麻酔で腰の骨を削り自家骨を採取し、同時に上顎の空洞(上顎洞)を開きそこに自家骨と人工骨を混ぜたものを入れ、骨を作ります。約8カ月ほど待って、骨が出来てからインプラントの埋入手術に入ります。
 上顎洞への骨形成が出来ない歯科医院では付近の骨のあるところへ斜めに埋入したり、離して埋入するので本数を増やし、かなり無理な手術となります。問題は実際に使用すると痛みが出て使えないとの報告が多く、難しい手術の割には報われません。
当院では骨造成を必要としない(インプラントを埋入するだけで骨が自然にできる)最新のインプラントと最新の人工骨を使用する事で新しい世界を作り出すことに成功しています。安全性の向上、お身体へのリスクの減少、手術時間の大幅短縮等大きく変化しております。
投稿のバックナンバーは、こちらの診療ヒントを参考にして下さい。
おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.33
Q. 前歯のインプラントを希望したのですが骨が薄いので骨造成が必要と言われました。期間も1年以上必要と言われました。他に方法は無いのでしょうか。
A.前歯部は骨が薄く一般的には骨造成を必要とする難症例が多いです。骨造成に8カ月から1年、その後のインプラント埋入で4カ月待つ必要あります。
もっと短期間で安全に出来る方法としては
1、骨開削による方法
薄い骨を中心から開削して内と外へ開いていき、そこにインプラントを入れて隙間に骨が出来るのを待ちます、期間は4から6カ月ほどです。もともと骨が薄いのでかなり困難な症例となります。
2、OAMシステムの利用
骨が2ミリ以上あればドリルではなく、アイスピックのような道具を使い1ミリから0,2ミリ刻みで2,8ミリ程度まで手の力で広げて太さ3ミリほどのインプラントを入れる方法があります。薄い骨を広げて行くのでひび割れが起きることがありますが2,3カ月で自然に修復されます。安全でリスクは大変低いです。1、2、ともにハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラントの方が骨と同化する性質上、適応だと思われます。
このタイプのインプラントであれば2ヵ月ほどで終了です。
投稿のバックナンバーは、こちらの診療ヒントを参考にして下さい。

おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.34
Q. 抜く予定の歯が一本ありますが、抜いた日にインプラントを埋入しましょうと提案されました、問題はないのですか?
A.抜歯時即時埋入術はそれなりに認知されてはいますが、いくつかの条件があります
・抜歯対象の歯の周りに炎症がないか、限りなく少ないこと(あれば炎症は全て取り除く)
・抜歯窩(歯を抜いた後の穴)の奥にインプラント埋入に必要な最低限の骨の厚さがあること。
利点 
・かぶせものを入れるまでの期間を短縮できる
・抜歯時に埋入するので手術を少なくできる
・歯を抜いた付近の骨の吸収(骨が溶けること)を回避できる
リスク
・成功率の低下(手術部位の炎症を限りなく除去しても残ることがあり、失敗の原因となる)
お薦めは抜歯後2,3週間置く抜歯早期埋入術です、利点を残しつつリスクを減らすことが出来ます。また、チタンインプラントよりハイドロキシアパタイトコーティングインプラントの方が確実です。
投稿のバックナンバーは当院のホームページこちらの診療ヒントを参考にして下さい。
おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.35
Q. インプラントの抜歯早期埋入手術について教えてください
A.前回は歯を抜いた当日にインプラントを埋入する利点やリスクをお話しました。今回は2、3週間置いた後に埋入する抜歯早期埋入術についてお話したいと思います。
一般的な酸化チタンタイプのインプラントですと抜いた歯の部分にインプラントを入れたことにより骨が出来なくなることがあります。そのため一般的には抜歯後5から8カ月(個人差があり)置いて、骨がある程度出来てから埋入手術を行い、インプラントが固定されるまで4ヶ月程待ちます。合わせて9か月から12か月ほど必要です。
 さて、ハイドロキシアパタイトコーティングのインプラントではどうでしょうか。ハイドロキシアパタイトは人の骨とほぼ同じ成分で出来ているため、身体の中では自分の骨と勘違いして骨が勝手に出来てきます。もともと骨がないところでも、いくつかの条件を満たせば4,5カ月でしっかりした骨が出来る特性があります。
この特性を利用して今回の抜歯早期埋入手術や上顎洞の骨が薄い場合の手術などに選択いたします。
投稿のバックナンバーは当院の診療ヒントを参考にして下さい。こちらです。



トップへ
戻る