歯科診療ヒント (136)〜(140)

おおだち歯科通信NO.136
歯周病、ワンストップ その後
前回は歯周病をワンストップで安定させる提案を致しました。多くの方にご好評をいただいております。
ただ、歯周病が治るということの解釈が難解で少し解説が必要です。
歯周病の軽度から中度(比較的軽い中度)の方では何とか期待通り、治癒に近いところまでの結果が出ます。
しかし、中度以上の歯周病では完全な治癒はかなり困難であり、若い時のように歯の周りに骨が戻り完治する事は現状ではなかなか望めません。
それでは中度(重い中度)の方、重度の方はどのような結果を期待すればいいのでしょうか。それは治癒ではなく「寛解」(かんかい)となります。寛解とは「病気の症状が軽減、または消失し、臨床的にコントロールされた状態」を表します。
よって、「歯周病、ワンストップ」でも中度(重い中度)の方、重度の方は寛解を目指します。
 一度、歯周ポケットの中のプラークを分解し歯周病菌を殺した後は前回お話したような歯ブラシや歯間ブラシ、フロス(糸)、そして、リンス(安全な薬液)療法により症状の安定を保てれば寛解となります。
バックナンバーは当院のHP内、こちら の診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.137
歯周病、ワンストップ vol.3
前回は中度、重度以上の歯周病では完全な治癒はかなり困難であり、目指すのは治癒ではなく「寛解」(かんかい)であると話しました。
(寛解とは「病気の症状が軽減、または消失し、臨床的にコントロールされた状態」を表します)
 そして、新年明けて、早々の朝日新聞に「認知症、歯周病で症状悪化」との記事が掲載された。マウスでの実験ではありますが「歯周病が脳のごみと言われるアミロイドβというたんぱく質を増やす」との内容です。
 当院の「歯周病、ワンストップ」は口腔内やポケットの中の歯周病菌を限りなく減らし寛解を目指します。寛解することで歯周病のみならず認知症や多くの成人病罹患の予防となり、また罹患している場合は軽減されます。基本は歯ブラシや歯間ブラシ、フロス(糸)による清掃。そして、リンス(安全な薬液)療法により症状の安定を図ります。必要に応じて抗生剤を副作用のないように局所利用し歯周病菌を死滅させます。
 歯周病は慢性疾患ですので継続が第一です、毎日少しの時間を自分の健康のためにお使いください。
バックナンバーは当院のHPこちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.138
口腔ケアは歯や歯肉の健康保持だけではありません
口腔ケアが大事であることは最近よく言われています。
口腔ケアとは単に歯ブラシだけで歯を磨くことを言うのではなく、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス、そしてその他、薬液や抗菌薬による治療、予防、指導や情報提供により知識を得て口腔ケアをすることを言います。
それでは適切な口腔ケアでどのような結果が期待できるでしょうか
・直接的には歯周病予防で咬合に関与する歯牙を守り、長期にわたりタンパク質などの良質な食物を供給し結果、健康を維持につながる
・口腔から続く臓器の疾患予防。歯周病菌による肺炎、食道炎、胃炎、腸炎などの予防、症状軽減
・歯周病由来の糖尿病などの成人病を予防、改善
・歯周病菌由来や炎症から起こる自己免疫疾患の脳梗塞や心筋梗塞等の低減
・全ての成人病の軽減に寄与
・がんや腫瘍の手術後、5年再発のリスクを軽減
・手術後の患部の治癒や退院期日が短縮される
他にも色々ありますが口腔ケアは健康の基本です
バックナンバーは当院のHPこちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.139
口腔ケア、口腔内フローラのコントロールvol.1
前回は口腔ケアが大切であることを話しました。
今回は歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスなどで歯磨きした後のもうひと手間の話をまとめてみます。
口腔内細菌のコントロール法は大きく分けて3つほどあります。
(1)殺菌性のあるデンタルリンスの応用
(2)低濃度の次亜塩素酸電界水での洗口
(3)歯に対して有用な善玉菌の応用
ラクトバチルス・ロイテリ菌や乳酸菌TI2711(乳酸菌LS1)など
それではこのような口腔ケア、コントロールでどのような結果が期待できるでしょうか、共通する効果は?
(注、事前の歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスなどのケアは必須です)
・歯周病の予防、治療。虫歯の予防
・風邪、インフルエンザの予防
・歯周病由来の糖尿病などの成人病を予防、改善
・歯周病菌由来や炎症から起こる自己免疫疾患の脳梗塞や心筋梗塞等の低減
・全ての成人病の軽減に寄与
それぞれの特徴や使用法、効能等の詳細は紙面の関系で次回に譲ります。
バックナンバーは当院HPこちらの診療ヒントをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.140
口腔ケア、口腔内フローラのコントロールvol.2
前回は3つのコントロール法を紹介しました。
(1)殺菌性のあるデンタルリンスの応用
(2)低濃度の次亜塩素酸電界水での洗口
(3)歯に対して有用な善玉菌の応用
ラクトバチルス・ロイテリ菌や乳酸菌TI2711(乳酸菌LS1)など
今回はこのような口腔ケア、コントロールの特徴や利点、欠点を紹介します
(1)のデンタルリンスはライオンやサンスターが各歯科大学の担当教授等の意見を集約して歯周病、虫歯予防のために開発しました。
含まれている薬は主に3種類、歯垢の分解を進める薬液、細菌を殺す薬液、分解した歯垢や細菌の死骸を排出する薬液です。
細菌は歯垢に守られていて歯垢を分解しなければ殺せません。
単なるうがい薬ではなく歯と歯肉の間に歯ブラシ等を使い浸透させ除菌させるものです。
使用後、水でうがいする事なく口腔内に薬液を残し、雑菌の繁殖を抑制すことで口腔内フローラ安定に寄与します。
利点は安全で費用対効果のいいこと、欠点は歯ブラシ後に一手間かかることです。
紙面の関系で(2)・(3)は次回に譲ります。
バックナンバーは当院のHPこちらの診療ヒントをご覧ください。


トップへ
戻る