歯科診療ヒント インプラント Q&A NO.21〜25

おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.21
Q . 上の前歯にインプラントを入れたいのですが、先日、相談に行った歯科医院では審美的な理由からツーピースタイプを薦められました、費用も高額なので悩んでいます vol.2
A . 前回はツーピースタイプのインプラントの選択に審美的な優位性があることをお話しました。
今回はツーピースタイプインプラントのそれ以外の優位性のある適応をお話したいと思います。

例1
 ・歯を抜いて間もない場合、まだ骨が軟らかいためインプラントを埋入してもしっかり固定できない場合、ワンピースでは外部から食物などの異物がぶつかり動揺することがある。放置しておくと失敗につながるので早めに対応する必要がある。ツーピースですと歯肉の下に一度埋めるので動きにくい。
  ワンピースで行う場合の注意点は
 ・歯を抜いた場所の骨に厚みがあり抜いた直後でもインプラントを支える骨が十分ある場合には問題ない

例2
 人工骨やコラーゲンを使って骨造成をしながら同時にインプラントの埋入をしたい時、上記と同じような理由でツーピースの方に優位性がある。
 詳細は担当医の意見を聞き十分相談することをお薦めします。
投稿のバックナンバーは当院のHP内 こちら の診療ヒントを参考にして下さい。
おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.22
Q . 歯を抜いたところに骨がよく出来るようにと、コラーゲンを入れますと言われま   した。どのような効果があるのでしょうか。
   その後インプラントを薦められています。
A . 数年前、日本のある大学のインプラント科の教授により開発されました。白い筒のような型をした、スポンジ状のコラーゲンを主体とするものです。抜歯や手術後に止血と骨の再生を目的として使います。
止血だけであれば既存のもので十分ですが、骨の厚みの欲しいインプラント等の予定のある人には適応です。
その他では、当院の例ですが歯を抜いて5カ月ほどおいてインプラントを埋入しようとしたところ歯を抜いた穴(抜歯窩)に骨が出来ていなことがありました。見た感じでは歯肉もきれいで問題ないように見えましが。長年、血圧を下げる薬を飲まれているとの事ですがそれが原因とは断定できません。そこで、このコラーゲンを入れ6ヶ月おいて確認したところ、骨が再生されていましたので、正常にインプラントを埋入し、問題なく終了する事が出来ました。これから徐々に広まっていくのではないでしょうか。
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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.23
Q . 以前、右側の奥3本の歯を抜き入れ歯を入れていましたが、咬んだ感じが良くないのでインプラントにしたいと思います。経済的な問題もあるのでインプラントを2本入れて3本分を補うことは可能でしょうか?
A . それぞれの人で骨の厚さや硬さ、また、全身の健康状態も違うので一概に結論は言えません。
 2本のインプラントで出来るいくつかの条件を述べさせていただきます。
まず、埋入部分の骨が厚さ、幅が十分あること。
次に、歯周病は軽度であること(残っている歯がしっかりしていること)、ブラッシングなどの歯牙清掃がしっかり出来ていること。
全身的には糖尿病や高血圧症などの成人病に罹患していないこと。喫煙してないことなどです。
このような条件がそろえば少し無理をして2本での対応が可能です。
 しかし、インプラントは一生使うことをお互い目標にしています、普段のブラッシングによる清掃や定期健診の励行などで安定を維持していきます。長期間の安定のためには欠損1本につき1本のインプラントが理想です。

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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.24
Q . 埋入したインプラントを長期に安全に使って行くにはどのような注意が必要ですか?
A .多くの事柄がありますので何回かに分けてお話させていただきます。
・左右両方の臼歯部(奥歯)のかみ合わせを常に維持する事
例えば、左右の奥歯に3,4本づつインプラントを入れる予定で進めたが片方だけ入れて来院しなくなった例。
片方のインプラント部で長期にわたり噛み続けた場合、負担過重でインプラントが動揺して抜けおちた例が時々あります。常に片方だけで噛み続けることはご自身の歯でもかなり危険であり、歯周病で動揺したり抜けることもあります。常に左右奥歯のかみ合わせは維持する事をお薦めします。
・インプラントの付近の歯が歯周病で動揺がある場合
 ご自身の歯が少しでも動揺があると、かみ合わせのたびに動いたり沈んだりします。結局、動揺の無いインプラントが多くの重量を支えることになり時間の経過とともにやはり負担過重でインプラントも抜け落ちます。早めに症状を確認し対応が必要です。
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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.25
Q . 埋入したインプラントを長期に安全に使って行くにはどのような注意が必要ですか? Vol,2
A .前回は左右安定したかみ合わせと、残っている歯の歯周病には注意が必要とお話しました。
今回は、「使用中のインプラントに異常がでたら問題が小さいうちにすぐ対応する」につてお話します。
 一度、骨が溶けてしますとなかなかもとには戻りませんので、定期検診等でかみ合わせの異常やインプラント周りの炎症などを確認します。また、同時に骨の異常なども見ていきます。異常が発見されたら即座に対応する事が基本です。そのため定期検診はあまり期間を開けず、6カ月ごとが望ましいのです。また、歯肉の炎症や骨が溶けるなどの異常では歯周病の治療に準じた対応が必要です。
 かみ合わせはご自身の歯の変化とともにインプラント部分も変化してきます。適正なかみ合わせになるように調整したり、かぶせものの変更をして対応します。
 基本的な事となりますがインプラント部分はもちろんですがご自身の歯のブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロス(糸)、リンス(殺菌力のある薬液)等を駆使して予防して行くことが大切です。
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