歯科診療ヒント インプラント Q&A NO.16〜NO.20

おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.16
Q . インプラントを入れて、10年ほどしたら抜けてしまったと知り合いが嘆いていましたが、なぜこのような事が起きるのですか
A .詳細を聞かないと原因はわかりませんがインプラントもご自身の歯と同様で、歯周病のような経過をたどって抜けることがあります。以前にもお話しましたが、インプラントを成功させるには患者さんのお身体の状態や生活習慣を把握し、そのうえで、確実に埋入する技術、そして長い時間(出来れば生涯)トラブルなく維持管理していく知識、経験、技術が必要です。インプラントを施術する先生は外科を得意とする方が多いですがどうしてもメンテナンス(維持管理)が苦手な方も多いと聞いています。歯周病治療には派手さはなく、地道な根気と患者さんとの信頼関係が不可欠です。歯周病治療での多くの知識とアイディアがインプラントを生涯使えるように守ってくれます。あと一つ、免疫力アップのための身体作りに生活改善(食生活、生活習慣等)も必須です。生涯一緒に頑張れる担当医がいることが大事な条件です。
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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.17
Q . 奥の歯2本を歯周病で抜いたのですが、「奥歯なので入れ歯しかできない、インプラントは歯周病があるので困難では」と言われました
A .重度の歯周病の方にはそれなりの理由があります。歯ブラシをはじめとするお口のケア、食生活、生活習慣等に、多くの負の部分を抱えています。そのままでインプラント施術すれば、短期間で問題が発生するのは明らかです。
 当院でも重度の歯周病と糖尿病を抱え悩んで来院された方が多くいます。ご希望があればリスクやプランの意味合いを十分ご理解いただき進めます。まず、重度の歯周病と糖尿病の安定に取り組みます。具体的にはお口のケア、食生活、生活習慣等の改善です。安定したのちインプラントの施術を行います。数本なら半年程度、本数の多い方は2年ほどかかります。その後はみなさんの顔色や皮膚のつやもよく、健やかな生活をしているように見えます。
 文章で書くのは簡単ですが食べ物の嗜好まで変えなければならない生活習慣の改善等、相当な覚悟が必要です。命の再生、あるいは人生の再出発と捉えてる方は成功しますが、生半可な考えの人は挫折しています。
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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.18
Q .最近、週刊誌で歯科治療や歯科インプラント治療についてかなり危険や問題があるとの報道があり、インプラント治療の選択に躊躇していますvol.1
A .「週刊・・・」 に歯科診療の特集が組まれていました。この記事で紹介された死亡事故は下顎前歯のインプラント手術での事で、薄い骨にもかかわらずドリルを使い内側の骨を貫通し舌動脈を切り、大量出血を起こし窒息死しました。
当院ではこの事故の何年も前から骨の薄い前歯部分には特別なシステムを使用しています。これはアイスピックのような形をした器具で、手の力で骨に穴をあけ、インプラントを埋入します。当然、手の力であけるので舌側の骨を貫通する事は不可能で、誰がしてもこの手の事故は起きません。安全確保は精神論だけでは不可能です。すべての症例で事故を防ぐ知恵とシステムが必要です。詳細は当院のホームページのこちら「インプラト埋入手術における安全性の確保(1)」を参照してください。
ただし、薄い骨でそのまま骨造成しないで成功させるには新しいタイプのインプラントが条件です。
紙面の制約でこの続きの「インプラントの失敗」の件については次回お話したいと思いま
おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.19
Q . 最近、週刊誌で歯科治療や歯科インプラント治療についてかなり危険性があるとの報道があり、インプラント治療の選択に躊躇していますvol.2
A . 前回はインプラントでの死亡例についてお話しました。今回はインプラントの一般的な失敗の認識と対応についてお話したいと思います。
統計や学会、歯科医師の勉強会、その他の情報から推測すると医院ごとの失敗は0,3%から15%と幅があります。3%を超えると「問題あり」と思います。また、失敗の捉え方も二つ考えられます。
一つは、インプラント埋入後にいろいろな理由で問題が起き除去し、再度埋入手術を行い成功して患者さんとのトラブルもない例。
二つ目は同じように除去したものの、傷害が大きく患者さんとの信頼関係が崩れトラブルになった例です。医学的にどのような治療でも100%成功は無いと思います、問題が起こった時に真摯に対応し、回復する事を第一と考えています。その結果として失敗0%を実現することは可能です。また、適切な定期健診と問題があった時の早期の対応、そして歯周病への対応力が必須です。

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おおだち歯科通信 インプラントQ&A NO.20
Q . 上の前歯にインプラントを入れたいのですが、先日、相談に行った歯科医院では審美的な理由からツーピースタイプを薦められました、費用も高額なので悩んでいます
A . 上の前歯ではツーピースタイプのインプラントを支持する専門家は多いかも知れません。確かに審美的な意味合いから埋入したインプラントと違う角度のかぶせものを入れるときに必要です。ただ、部品が多いのでワンピースと比べると1,5〜2倍ほど高額となります。
ただ、条件がそろえばワンピースで施術することも可能です。骨の厚さに若干余裕があり、極端に骨が吸収(溶けて)していないことです。骨が吸収している場合、骨造成等が必要でツーピースでも審美的に満足いく結果を得るのは困難です。
施術のポイントはインプラントの埋入を少し内側にすることです。このように対応すれば9割以上がワンピースでも可能となります。上の前歯でもワンピースのみで対応している歯科医院もあります。一度、セカンドオピニオンでインプラントを行っている他の歯科医院で相談されたらいかがでしょうか。
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