歯科診療ヒント (71)〜(75)

おおだち歯科通信NO.71 
メタボ(メタボリックシンドローム)と食育と歯科の関係 3
 女性で中性脂肪が高いといわれている人は甘いお菓子や果物が好きな方が多いですね。
 女性同士で集まりケーキなどを食べながらおしゃべりをするのは良いのですが、何とか改善していかなければなりません。甘いお菓子は中性脂肪値を高くするだけでなく、年齢の高い方はカルシウム代謝にマイナスを与え骨粗鬆症の危険が増し、歯科では虫歯や歯周病の罹患を助長する可能性があります。
 さて、甘いものはなかなかやめられない方はうまく付き合っていくのも方法です。
 目標を低くして、
・毎日食べない
・明るいうちだけ食べる
・食後に少しだけ食べる
・カロリーの少ないものを選ぶ
・ケーキから和菓子、おせんべい、果物と順次変えてみる
・買わない、もらわない、身近に置かない
など工夫により減らすことが出来ます。チャレンジしてみてください。
バックナンバーはこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.72 
「最近あった質問 1」
Q. 洗口(うがい)で虫歯や歯周病の予防はできますか?
 最近診療室で「洗口剤でうがいをするだけで虫歯や歯周病の予防はできますか」との質問がありました。患者さんの立場からは結構切実な疑問だと感じています。 
ある公営の研究所での実験では既に虫歯や歯周病の誘発菌の特定やそれらの細菌のみを限定して殺菌する薬物は確認されているようですが実際にうがい薬として臨床応用するにはまだ時間がかかりそうです。
考えてみれば実験室で数時間から数十時間かけて特定の細菌を殺菌したり、無力化できたとしても、お口の中にその薬剤を含んだまま何時間も吐き出さないでくださいとお願いしてもそれは無理な話で臨床的に人の身体で応用することは大変困難なことだと感じています。もうしばらく待たなくてはいけません。
やはり歯の健康維持は手間と忍耐が必要です。がんばって歯を磨いてください。
おおだち歯科通信NO.73 
「最近あった質問 2」
Q.歯周病や虫歯の予防は自宅でしっかり歯ブラシをしていればいいのですか?
 A.この質問はおそらくセルフケアのみで歯周病や虫歯を防げるかということだと思います。
セルフケアは自宅や職場など診療室以外の場所で
・歯ブラシによるブラッシング
・歯間ブラシ、デンタルフロスによる清掃
・フッ素入りうがい薬によるうがい
などがありますが、やはりセルフケアだけでは十分ではありません。各人の癖があったり、忙しい中でケアにむらがあったり、また疾患にたいしての知識が不十分などの理由でプロフェッショナルケアを併用することをお勧めします。
プロフェッショナルケアとは診療所で行う
・定期健診
・ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスの指導
・歯石除去
・歯面清掃P.M.T.C.(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)
・歯周病や虫歯予防にたいする知識の啓発
など専門的な立場からの支援です。ぜひご活用ください
 
おおだち歯科通信NO.74 
「最近あった質問 3」
Q.今、使っている健康保険で作った義歯を裏面の柔らかい(ソフトリライニング義歯)タイプの義歯に変えることは出来ますか?
 以前にもこの欄で御紹介したソフトリライニング義歯は歯ぐきに接触する面に弾力性のある柔かい樹脂(シリコン状の素材)を張り特殊加工を施した入れ歯です。歯を抜いて時間が経過したりして顎の骨が痩せていたり、骨の形状(出っ張りなど)がある方などに向いています。総入れ歯にお勧め 保険適用外となります。
保険外で新しく作るのが一般的ですが、お急ぎの場合や低価格で作りたい方には良いと思います。一部の歯科医院では新製以外受け付けていないところもありますが、行ってくれるところもあります。ただ以下の注意が必要です。
・元の義歯が古いと私用できる期間が短くなります
・内面を削りシリコンを張りますので床の部分が薄くなり割れやすくなります
・作製は義歯を歯科医院に一時預けるので予備の義歯がないと歯が無い状態でとなる
実際に依頼する前に良く相談してください。
詳細はこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.75 
「最近あった質問 4」
Q.虫歯も無く、毎日丁寧に歯を磨いているのに歯がしみます。
 歯の根元がしみると感じられる場合、虫歯以外では知覚過敏症が疑われます。1、2本の場合もありますが、ひどい場合は口全体がしみて、冷たいものを一切口にできないときもあります。歯槽膿漏に起因していますので、30歳以降の方に多く見られます。
  原因については歯磨き時に使用する歯磨き粉による場合が多いです。歯槽膿漏で歯肉が下がって露出した歯の根元は本来、骨や歯肉に覆われていて、骨や歯肉と繊維等で結ばれていました。そのためもともと露出している部分(エナメル質)とは異なり、大変やわらかく出来ています。歯磨き粉に含まれている研磨剤が歯を削り取り知覚のある細い神経を露出するのです。2週間位歯磨き粉を中止すると直ってしまいますが、使い始めるとまた再発します。最近は研磨剤の入っていない歯磨き粉が市販されています。
  歯磨き粉の使用をやめたときの欠点は歯が汚くなることです、茶渋やメラニン色素、タバコのヤニなどが歯に付着すると水と歯ブラシだけでは取れません。バックナンバーはこちらをご覧ください。


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