歯科診療ヒント (16)〜(20)

おおだち歯科通信NO.16
「歯がしみる」 (1)
 今回は「歯がしみる」のはどのような時にどのような原因で起こるか考えて見たいと思います。
一般的には(1)虫歯による場合・(2)知覚過敏症・(3)その他の原因となります。
 (3)のその他の原因としては
 歯槽膿漏で歯肉が腫れて歯肉が歯から離れ、歯を支えている骨に直接冷水などが触れてしみるようなこともあります。
 また真冬など、相当冷たい水や飲み物を飲むと、しみることがありますが、これは健康な方でも結構見受けられますので、神経質になりすぎないことですね。
 (1)虫歯による場合
 一般的に歯がしみる場合、虫歯が原因と考えられます。後述の知覚過敏症とは異なり、口全体がしみるというより、1,2本に限定されていることが多く、年齢的にも幅広く、歯があれば誰でも可能性があります。虫歯の場合、自然に治ることはほとんどありませんので、できるだけ早く治療されることをお勧めいたします。
 紙面の関係で(2)知覚過敏症、については次回に譲りたいと思います。
おおだち歯科通信NO.17
「歯がしみる」 (2)
今回は知覚過敏症について考えて見たいと思います。 
 歯の根元がしみると感じられる場合、虫歯以外ではこの知覚過敏症が疑われます。1,2本の場合もありますが、数本以上、ひどい場合は口全体がしみて、冷たいものを一切口にできないときもあります。歯槽膿漏に起因していますので、30歳以降の方に多く見られます。
 原因については歯磨き時に使用する歯磨き粉による場合が多いです。歯磨き粉に含まれている研磨剤が歯を削り取り知覚のある細い神経を露出するからです。2週間位歯磨き粉を中止すると直ってしまいますが、使い始めるとまた再発します。最近は研磨剤の入っていない歯磨き粉が市販されています。
 歯磨き粉の使用をやめたときの欠点は歯が汚くなることです、茶渋やメラニン色素、タバコのヤニなどが歯に付着すると水と歯ブラシだけでは取れません。
 歯槽膿漏で歯肉が下がって露出した歯の根元は本来、骨や歯肉に覆われていて、骨や歯肉と繊維等で結ばれていました。そのためもともと食べ物を咬んだりするために露出している部分(エナメル質)とは異なり、大変やわらかく出来ています。
  知覚過敏と感じたら歯磨き粉の使用を中止してはいかがでしょうか。
おおだち歯科通信NO.18
「小児定期検診のすすめ」 (1)
当院ではいくつかの分野に分けて定期検診を行っております、その分類やそれぞれの必要性、効能また注意点などについて少し触れてみたいと思います。
 (1)小児の定期検診 その1、その2、その3
 (2)歯周病の定期検診
 (3)一般歯科の定期検診
 (4)義歯及び老人歯科定期検診
 (5)妊娠時の歯科定期検診
 (6)その他の定期検診
 おおよそ上記のように分けて実施いたしております。
今回は(1)の小児の定期検診 その1についてお話ししましょう 
 (1)小児の定期検診 その1 
 「乳歯の一般的な注意点」
 ・虫歯の罹患、再発防止について・・・乳歯(子供の歯)は永久歯と比べると歯質が薄く、一度虫歯になると進行がとても早く、すぐ大きくなります。また虫歯で歯髄まで感染が進むと治療をしても、根の病気が再発することが多く、歯を抜くこともまれではありません。定期検診により早期発見、早期治療ができます。
 ・乳歯から永久歯の生え換えの時期について・・・ご家庭ではなかなか確認できないのが、乳歯の脱落と永久歯の萌出の関係、そしてその時期です。異常や不安があるときは触診やエックス線写真で確認することが出来ます。
おおだち歯科通信NO.19
「小児定期検診のすすめ」 (2)
 前回は歯科における小児の定期検診、その1として一般的な部分を述べさせていただきました。今回は個別の疾患について述べさせていただきます。
 「個別の疾患に対応した定期検診」
 ・小帯の異常・・・多く見受けられる場所としては、上唇と上の前歯との間の上唇小帯、また舌の付け根の舌小帯などです、異常が重篤な場合は切除手術、軽い場合は定期検診にて経過観察をしていきます。
 ・歯並びの異常・・・歯並びの異常が既にある、あるいは今後異常が出る疑いのあるときは定期検診にて経過観察をしていきます。矯正治療の必要性や適切な時期をアドバイスします。
 ・その他・・・成人の方と違い、お子様の場合は成長に伴い大きく変化していきますので定期検診を通して、お口を中心とした微細な変化やそれに伴うお口と全身の健康との関連性など、ご両親やお子様に、ご成長の経過の中で情報を提供しアドバイスをしてまいります。
おおだち歯科通信NO.20
「定期検診のすすめ」 (3)
 歯科における小児の定期検診について「その1・2」と述べてきました。
今回はお子様生涯を考え「上手な小児の定期検診の利用」と題したいと思います。
 既に、ご自宅での歯ブラシなどは生活の一部として定着しています。一歩進んでお子様にフッ素溶液による洗口などを行って虫歯予防に取り組んでいる家庭も多くございます。歯科領域の事柄が生活に溶け込み大変身近なものとなってきています。
 小さな頃から通院し、お口のケアを行っていくことにより、一生を通じて歯科疾患の予防や生活の基本を自然に身につける事となり大変有意義なものとなると考えます。
 歯の治療は怖い、というイメージを取り除くためにも治療以外での通院は効果があります。
 衛生士のお姉さんと歯ブラシの練習をしたり、簡単なお薬の塗布など楽しいお話をしながら通院するのも大切です。


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