おおだち歯科通信NO.21
「定期検診のすすめ」 (4) |
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(2)歯周病の定期検診 その1
歯周病の大きな特徴は慢性疾患であるということです。例えば十代後半から歯周病が始まり、30代で10年数年、そして50代の方では30数年かけて進行し、悪化してきたことになります。
ですから虫歯のように3、4回の治療で完治することはありません。
20代から30代で歯周病が軽度の方は医院にて歯の周りの歯石や歯垢などの汚れを落とし、自宅では指導内容に忠実に歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス(糸)等の清掃道具を使い歯の周りの環境を清潔にします。そして定期検診で長期にわたりレベルを維持できれば結構良好な結果が得られます。
問題はもう少し年齢が上がり中度、重度の歯周病にかかっている方たちです。この場合の治療と検診はそう簡単にはいきません。まず上記の軽度の方と同様の処置や清掃の練習を行いその後、重篤な箇所から順番に3回から6回程度で基本的な治療を行います。1、2ヶ月様子を見て検査を行います。そして再治療に入るか、定期検診に入るかの判断を致します。紙面の関係で中度、重度の方の詳細と検診の実際は次号に譲ります。 |
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おおだち歯科通信NO.22
「定期検診のすすめ」 (5) |
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(2)歯周病の定期検診 その2
前回に続き歯周病の状態が中度、重度の場合のお話します。まず軽度の方と同様の基本処置をした後、検査、治療に入るのが一般的です。
軽度の方と違い歯の周りの汚れがかなり深い位置にあるので必要に応じて麻酔をして処置を行います。1,2本ですと問題ありませんが、28本全部に治療が必要ですと5、6回に分けて行いますが、かなり大変です。出来れば出来るだけ軽度のうちに治療に入りたいですね。この病気もやはり早期発見早期治療です。
その後、検査をして良好であれば定期検診に入り、不良であれば再治療に入ります。
再治療は外科的に歯肉を少し開けたりして徹底した処置を行います。特に重度の人は多くの場合、外科処置が必要となります。
定期検診は、はじめはおよそ2、3ヶ月、その後は6ヶ月程度ごとに検査をして経過観察をするのが一般的です。最近では1ヶ月に1、2回定期的にP.M.T.C.(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)を希望されて行っている患者さんもいます。紙面の関係で定期検診の実際は次回にさせていただきます。 |
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おおだち歯科通信NO.23
「定期検診のすすめ」 (6) |
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(2)歯周病の検診 その3
今回は歯周病の定期検診の実際についてお話したいと思います
定期検診ではお口の中や全身の環境を確認し必要があれば治療します。
・局所的には
症状に応じて歯牙ごとの盲嚢の深さや動揺度を検査にて確認します
歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス(糸)などを適切に使ってよく歯が磨けているか
歯垢や歯石が付いていないか
歯肉に炎症がないか
虫歯や義歯の不良などでかみ合わせに問題がないか
・全身的には
睡眠時間やストレスなどをコントロールして健康的な生活を維持しているか
食生活に偏りがないか
新たに全身的に何か病気にかかられたか
そしてその病気でお薬などを飲んでいないか
などです。歯周病はお口の中や全身の環境を良質に維持することで数十年かけて罹った病を徐々に治して行く以外に方法はありません。良質な環境維持が治療そのものなのです。そのため歯周病の定期検診は絶対不可欠と考えております。歯周病治療に急行や、新幹線は現状ではまだ有りません、皆さん各駅停車でゆっくり治療して行くことが大切です。 |
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おおだち歯科通信NO.24
「定期検診のすすめ」 (7) |
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今回は一般歯科の定期検診についてお話したいと思います。
(3)一般歯科の検診
成人男女が対象ですが年齢が高くなり歯周病や義歯があればそれぞれの検診対象となり分類が難しくなります。しかし,一般的には歯科領域すべてを検診対象としてよいと考えております。例えば,義歯の定期検診でもお口の中すべてと全身状態の確認もいたします。
当院の対象分類基準は
・主に虫歯を中心とした検診を望んでいる場合(実際の検診は口腔内全般を実施)
・歯周病に罹患していても軽い場合
・義歯が入っていても義歯が小さい場合
・若年でも口腔内に乳歯がなく永久歯にすべて生え変わっている場合
などとしています。
さて、一般歯科の定期検診ではお口の中や全身の状態を確認し必要があれば治療します。
口腔内では
・第一に虫歯の早期発見早期治療
・歯周病の早期発見早期治療と生活改善
・必要な場合は承諾を得て予防処置を行う
・よく歯が磨けているか、また歯ブラシの使い方が正しいか
・歯垢や歯石がないか
・虫歯や義歯の不良等でかみ合わせに問題がないか、また顎関節に異常が出てないか
全身的には
・健康的な生活を維持しているか
・食べ物の好き嫌いや食生活に偏りがないか
などです。
次回は義歯及び高齢者歯科検診について触れたいと思います。 |
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おおだち歯科通信NO.25
「定期検診のすすめ」 (8) |
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(4)義歯及び高齢者歯科検診 その1
「義歯」を入れている方はほとんどが「高齢者」ですが、たまに高齢でない方もいらっしゃいます。
このような方は前回の「(3)一般歯科の検診」でお話ししたことと併せて「義歯の状態」を確認します。
さて、本題ですが「高齢者」、また既に全身的にいくつか病気に罹っている「有病者」の検診とは厳密には少し違います、診療室では後述のように注意して対応しております。
また、最近では一部の高齢者の方で、ほとんど歯が残っていて義歯を使用されていない方がおります。このような方の検診は「局所的」(お口の中だけ)には前回の「(3)一般歯科の検診」で触れた内容で対応できると思います。ただ、「全身的」には「一般歯科の検診」では対応できませんので前述の方同様注意が必要です。
まず、高齢者の場合多<の方が何らかの病気を持っている(有病者)という認識で対応します。もちろん病気のない方もいることは承知しておりますが、本人が気づいていない場合や、また発病してなくても発病の可能性を抱えている方も多くいらっしゃいます。
この場合、例えば「他の病気のため歯を抜けない、あるいは、かかりつけ医に事前承認をいただいてから抜く」。「他の病気で薬を飲んでいるので薬が飲めないか、制約がある」。などですが、その他多くの事柄で確認が必要です。
詳しくは次号にてお話を致します。 |
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