歯科診療ヒント (76)〜(80)

おおだち歯科通信NO.76 
最近あった質問 5」
Q.義歯が痛くて使えないので歯肉に当たる部分を柔らかくして欲しいのですが、針金が見えるのも困るのですが?
 このご質問をわかりやすく説明すると、内面(粘膜面)に弾力のあるシリコンを張った義歯と針金(クラスプ)のないシルーキーデンチャー、あるいはスマートデンチャー等(材質の違いでいくつかの名称が有る)の組み合わせと考えます。技工作業が複雑で、またいくつか注意点が有りますが要点を抑えて作れば十分可能です。
注意点としては
 ・シリコンを張った義歯は強く咬んだときに少し沈むので、そのことに対し事前に検討し対処  しておく
 ・針金のない義歯に使うレジン(床の部分)等は弾力を得るため一般の義歯とは違う材質   のレジンを使うのでシリコンを張ることが出来ません。そのため2種類のレジンをつなげて  使うことになるので設計が困難で有る。やはり事前に十分に検討しておく
その他細かな問題がありますので歯科医師と十分話し合ってください。
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義歯に関しましてはこちらをご覧下さい。
おおだち歯科通信NO.77
最近あった質問 6-1」
Q.入れ歯(義歯)は何年ぐらい使えるの?
 入れ歯を新しく作って4、5年は使えと思いますがそれには条件があります。
 毎日使うものですので、白い人工歯の部分がまず減ってきます。同時に歯肉に当たる部分(ピンク色の床の内面)が骨の吸収(解ける)であわなくなります。また針金がゆるくなったり、折れたり、床の部分が割れたりします。できれば6ヶ月から1年に一度は定期健診でチェックしましょう。
1、人工歯が減ったときはかみ合わせの再調整をして適切な噛み方に戻します。それでも対  応できないほど減ってしまっている場合はレジン(入れ歯に主に使っている材料)を盛って  もとのかみ合わせの高さに戻します。
2、骨の吸収か入れ歯の内面があわなくなったときはまず調整をしてあわしてみますがあまり  ゆるいときはピンク色のレジンを盛って隙間を埋め歯肉にあわせます。
  まだまだありますが紙面の関係で次号に譲ります。
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おおだち歯科通信NO.78
最近あった質問 6-2」
Q.入れ歯(義歯)は何年ぐらい使えるの?
 前回は「入れ歯を新しく作って4〜5年は使える」そして、それに対する義歯の手入について
2点(人工歯が減ったり、歯肉に当たるピンク色の床の内面があわなくなり)をお話しました。その他の不具合としては
 3、針金がゆるくなったときは比較的簡単で器具を使い締めれば直ることが多いです。
しかし、針金が折れたり、外れたりした場合は預かって直すことも有りかなり時間がかかります
 4、床の部分が折れたり、ひびが入ったときは補強線を入れて修理します
 5、その他として、人工歯脱落などです
 前回お話した「人工歯が減ったり、歯肉に当たるピンク色の床の内面があわない等」の事例を放置しますと針金のかかった歯を悪くしたり、今日お話しした上記(3,4項)のような事態に発展します。できれば6ヶ月から1年に一度は定期健診で義歯をチェックしましょう。
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おおだち歯科通信NO.79
「最近あった質問 7 」
 Q. 先日、奥歯を抜きました。抜歯後の治療方法として、取り外し式の入れ歯以外は入れられないと説明を受けました。他に何か方法はないのですか。
 A. 付近の歯の様子や全身の状態を確認しないと正確なことはいえませんが、健康保険の範囲では取り外しのできる入れ歯が一般的です。固定式のブリッジ(架橋形式)を入れるには奥に歯がないと困難な場合が多いです。例外的に奥歯を1歯程度伸ばすことは可能ですが一部形態や装着場所により保険外となります。
 やはり保険外となりますが、最近の入れ歯は審美的に優れたものや、比較的使用感の良い入れ歯も多くあります。
他の選択枝としてインプラント(人口歯根)の選択は可能です。下は比較的簡単な手術で入れられますが、上の奥歯は少し手術が難しくなります。問題点は保険外診療となり料金が高額になることと、植立部の骨の厚さや全身の状態に問題がない、等慎重な対応が必要です。
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おおだち歯科通信NO.80
「最近あった質問 8 」
 Q. 先月号の話では上(上顎)のインプラントは困難とのことですが、私も以前、歯科医院で骨がほとんどないので無理だと言われました、どのくらいの厚さがあれば可能なのですか?
 A. 上顎の奥歯と考えますが、最近植立手術が進歩しているのでかなり骨が薄くてもできるようになりました。以前不可と診断された方でも、特別な手術で行えば十分可能です。上顎植立の術式には一般的には34種類の方法があり、インプラント植立と同時に骨が厚くなるように誘導します。しかし、かなり薄い場合(1ないし2ミリ程度)には術式も限られてきます。インプラントは行っているがこの種の術式を扱ってない歯科医院が多いようです。よくご相談ください。
前号でも述べましたが、問題点は保険外診療となり料金が高額になることと、全身の状態に問題がない、等慎重な対応が必要です。特に上顎では多くの場合、喫煙は厳禁となります。また、下顎と違い上顎は骨を作る期間が必要ですので術後2から4ヶ月を要します。
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