歯科診療ヒント (61)〜(65)

おおだち歯科通信NO.61 
「義歯何でも相談」 (9)
最近の義歯vol.9
「チタン合金金属床義歯」
今回は保険外義歯で最近話題のチタン合金の金属床義歯についてお話しいたします。
前回お話したコバルトクローム合金の金属床義歯の利点に加えチタン合金の場合は
コバルトクローム合金に比べさらに強度があり床をより薄く軽く出来ますので違和感の少ない義歯となります
・チタンはインプラントにも使用されている大変安定した金属で、骨に植えても親和性が高く安全です。そのためチタン床義歯の場合、大変身体に良く、さらに酸性、アルカリ性の食物を食しても解けることが無いので金属の味もなく食事がとても美味しくなります。
・そして金属アレルギーのある方には最適です
このように多くの利点がありますが欠点はやはり健康保険適用外で高額になることだと思います。
次回から義歯の作製や調整の要点をお話したいと思います。
おおだち歯科通信NO.62 
「義歯何でも相談」 (10)
困難な症例 vol.1
 今回は義歯を作る立場から困難な事例、また義歯を使う立場の皆様からは「満足できる義歯が出来ない場合」についてお話したいと思います。    
比較的多く見られるのが歯を抜いて長い期間経過したために義歯の台となる骨が吸収して顎提がなくなってしまった場合です。義歯は一般的にこの顎提の上に載せ安定させて使うのですが、顎提が無くなると平らな所に義歯を置かなくてはなりませんので食事をしたり、話をすると動いてしまうのです。動くと歯肉に傷がつき痛くて使用できなくなります。
まだ、いくらかの歯が残っている方はこのような状態になることを出来るだけ避けていただきたいと思います。
そのためには虫歯や、歯周病にならないように日ごろの努力が大切です。どの様にしたら良いか分らないときは相談に来てください。協力させていただきます。
既に歯が無く、骨が下がり顎提がない方は次回対処法を述べさせていただきます。
バックナンバーはこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.63 
「義歯何でも相談」 (11)
困難な症例 vol.2
 前回紹介した困難な症例「顎堤がなくなってしまった場合」の対処法を今回述べさせていただきます。
既に歯が無く、骨が下がり顎提がない状態の方も基本は同じで、咬みあわせをしっかり確立させ、出来るだけ義歯を動かなくすることは当然です。しかし食事をするとわずかに動き食べ物のかすが義歯の下に入り歯肉が傷ついたり腫れたりします。
 それから義歯作製時に出来るだけ床の面積を取り、吸着が良くなるようにいろいろ工夫します。
 それでも安定しない場合は特殊な義歯を入れなければなりません。柔らかなシリコンのようなゴムを義歯の裏に貼り吸盤のような原理で義歯を安定させる方法です。以前にソフトリライニング義歯として紹介しました。健康保険適用外ですが効果は結構あります。いろいろ試したが改善しない場合はご相談ください。協力させていただきます。
バックナンバーはこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.64 
「義歯何でも相談」 (12)
困難な症例 vol.3
 困難な症例vol.1と2に続き今回も困難な事例についてお話したいと思います。    
今日御紹介するのは歯を抜いて長い期間経過したために義歯の台となる骨が吸収して歯肉は残っているが中の骨が解けてなくなってしまった症例です。
 前回紹介した顎堤がなくなってしまった場合に類似していますが、よく見ると顎堤があるように見えます。ただその顎堤が柔らかく手で触るとぶよぶよしていて中に骨が無いのです。結果的に前回お話した事例と同様に義歯を作るのは大変困難です。使用状況も前回紹介した場合と同様、骨が無いので義歯が安定せず、食事をしたり、話をすると動いてしまうのです。それに加え、形採りを行い、模型を作り義歯に仕上げますが、模型上では柔らかい部分が分りませんので合わない義歯になってしまいます。出来上がった義歯を使うと顎堤の柔らかい部分が沈み痛くて咬めません、またかみ合わせの高さも変わってしまいます。
このような方の対処法は次回述べさせていただきます。
バックナンバーはこちらをご覧ください。
おおだち歯科通信NO.65 
「義歯何でも相談」 (13) 
困難な症例 vol.4 
前回お話した、困難な症例vol.3の「顎堤があるように見えるが、顎堤が柔らかく手で触るとぶよぶよしていて中に骨が無い場合」についての対処方についてお話したいと思います。    
(1)ぶよぶよしているところを切除する外科処置
(2)切除せず、その部分を義歯作製の模型上で被覆して出来た義歯が直接強く当たらないようにする
(1)の外科的に切除する方法は患者さんが高齢者であることや切除手術をしても顎堤が低く義歯を安定させることにはならないことが多く、最近はあまり行われていません。(2)は消極的に見えますが基本的な対処法だと考えられています。
この症例も顎堤の無い方と基本は同じで、咬みあわせをしっかり確立させ、出来るだけ義歯を動かなくすること。それから義歯作製時に出来るだけ床の面積を取る、等同様です。
 ソフトリライニング義歯も健康保険適用外ですが効果があります。
バックナンバーはこちらをご覧ください。



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