歯科診療ヒント (66)〜(70)

おおだち歯科通信NO.66 
「義歯何でも相談」 (14)
困難な症例vol,5
 今回は義歯の乗る顎堤の骨は残っているが幅が薄く頂点が線状に尖っている症例についてお話したいと思います。    
 この症例では義歯の乗る顎堤が全体に尖っているため出来上がった義歯で強く咬むと尖った骨の部分が当たり痛くなってしまいます。また薄く残った骨の部分が低いので義歯の安定も良く有りません。
 対応は外科的手術等で骨を平らにし尖った部分をなくしてします方法もありますが、点状に骨が尖っている場合は適切ですが、線状に長い場合は困難です。一般的には尖った部分に義歯が当たらないように義歯作成時、義歯作製の模型上で被覆して製作します。
この症例も顎堤の無い方と基本は同じで、咬みあわせをしっかり確立させ、出来るだけ義歯を動かなくすること。それから義歯作製時に出来るだけ床の面積を取る、等は同様です。
 ソフトリライニング義歯も健康保険適用外ですが効果があります。
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おおだち歯科通信NO.67 
「義歯何でも相談」 (15)
義歯のケアー
 義歯の床は歯肉の上に乗っているので新しく作っても骨の変化とともに3ヶ月も経過するとだんだん合わなくなってきます。個人差は多いですが6ヶ月から1年ほどで定期検診をお勧めします。内容は
・歯肉と義歯の床の当たりを確認
・かみ合わせの位置と高さの確認
・残っている歯の状態の確認
・破損や磨耗、汚れ、使用方法の誤り等確認
その他必要な事項をチェックします。
 「痛みが無いから」と長年放置しますと、残っている歯に悪影響を与えたり、咬み合わせの高さや位置、そして顔の形が変わったりします。
 さて、今まで新しく義歯を作る話を中心に今まで話ましたが、現在使っている義歯の補修や再生を考えて行くことも大切です。
よく咬めない義歯も歯肉との当たりと咬み合わせ理論に則り調整することで驚くほど不快感が消えよく咬めることが多いです。(個人差あり)
 次回は古い義歯の補修についてお話します。
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おおだち歯科通信NO.68 
「義歯何でも相談」 (16)
義歯のケアーvol,2
 今回は古い義歯の補修についてお話します。現在使っている義歯の補修で再生を考えて行くことも大切です。多くの方が補修のみで、結構不満を減らすことが出来ます。ただ個人差や状態の違いで補修だけでは対応出来ないケースもあります。
基本的には義歯の定期検診のチェックと同様に進めます。破折等は事前に補修しておきます。
1)歯肉と義歯の床の当たりを確認し痛いところがあれば調整します
2)同時に咬み合わせを確認し、咬み合わせ理論に則り調整します
3)確認と調整後、必要があれば修理、リソウを行います。
義歯の内面が合わない場合はリソウ(裏装、義歯の裏を張り歯肉との隙間をなくす処置)をします。この処置によりあわない義歯がぴったり適合してきます。
人口歯の磨り減り等で義歯の高さが低くなった場合は人口歯を高くします。
 新しい義歯を入れる以外に補修、再生は経済的で診療期間もかなり短縮できますのでお奨めです。
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おおだち歯科通信NO.69 
メタボ(メタボリックシンドローム)と食育と歯科の関係 1
 最近よく聞く「メタボと食育」さて、歯科との関係はいかがなものでしょうか。
 食べることはお口に食べ物を入れて歯でかむことから始まります。食育の一部ではありますが、ことわざに「はじめよければ終わり良し」と有るように大変重要な仕事をしております。
 今までこのコーナーで何度かお話してきたことではございますが少しまとめて見たいと思います。
・よく咬むことでメタボを防ごう
 よく咬むことで食事に時間をかけることが第一の効用です。理由は食事を始めて食べ物が胃にはいり十分な量になり拡張すると脳に指令が伝わり、同時に食べ物から吸収された糖分が血液の中に入り血糖値を上げます。これらの作用で脳の満腹中枢が刺激され食欲が抑制されます。この反応が起こるまでに30分ほどかかります。ゆっくり食べることで結果的に食事量が少なくなります。
ただ、ゆっくり食べ、よく咬む事の効用はもっとたくさんあります、続きは次回に。
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おおだち歯科通信NO.70 
メタボ(メタボリックシンドローム)と食育と歯科の関係 2
 前回は「よく咬むことでメタボを防ごう」と題しお話しましたがよく咬むの効用についてもう少し触れたいと思います。
直接メタボとは関係有りませんが、唾液には多くの解毒物質含まれ発ガン性のある物質の無毒化や抗菌作用があり、しっかり咬んでゆっくり食事をすると最も効果的です。また、自分の歯で咬むと刺激が脳に伝わり老化や痴呆の予防になる事も確認されています。
 良く咬むことにお子様を健康に育てるヒントがあります。人の身体の成長はおおよそ18歳で止まります(個人差、男女差有り)。当然、顎骨や唾液線の成長も同様です、離乳食から一般食になったら「よく咬ませる」という事を意識してください。 まず「よく咬む」事により顎骨を適正な大きさに成長させます、顎骨が小さいと不正歯列等の原因となります。また、「よく咬む」と唾液が多く出て、それに対応するために唾液線はどんどん成長して行きます、大人になってからでは成長は望めません、小さな時からご家庭で食事の時に優しく指導して下さい。     
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