年間最優秀論文賞受賞
「日本循環制御医学会」は1980年に誕生したました。循環器系、麻酔
科系医師により組織されています。私も学会員として籍を置いていま
す。初代理事長は徳島大学医学部麻酔科学教室の斎藤隆雄教授が
務め、年間最優秀論文を「齋藤賞」と言う称号で1名に与えています。
共同研究者3名と実験を重ね、担当教授の指導もありこの栄誉に浴
しました。関係者の方に大変感謝いたしております。
私は長年、研究のため神奈川歯科大学の生体管理医学講座麻酔
科に籍を置いておりました。麻酔医としての研修のみならず心臓の虚
血による心筋梗塞、そしてその耐性について研究してきました。
今回の受賞した論文の内容は
「心筋梗塞を生ずる程度の長い虚血の前に短時間の虚血再灌流を
行うと、それに続く長い虚血に対して心筋は耐性をもつようになり、心
筋梗塞の範囲を劇的に縮小させる。この現象を虚血プレコンディショニ
ングというが、近年イソフルランなどの吸入麻酔薬を虚血再灌流の前
に暴露するとプレコンディショニング様効果があることが明らかにされ
ている。しかし、最も臨床で使用されているセボフルランに心筋壊死縮
小効果があるか、あるいはセボフルランの前投与が虚血プレコンディ
ショニングによる心筋保護効果を増強するか否かは不明である。」この
点を動物(ウサギ)を使って実験し検討し発表しました。
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