NO.109 歯周病で認知症悪化

いままでも歯周病が糖尿病をはじめ多く病気の発病や経過に関与している事はこのコーナーを利用してお話して来ましたが、今回は認知症との関係を裏付ける研究発表がありましたのでお話させていただきます。
名古屋市立大大学院の研究チームは歯周病が認知症の一種であるアルツハイマー病を悪化させることをマウスの実験で明らかにし、日本歯周病学会で発表した。まだ、動物実験の範囲
であるが「歯周病治療で、認知症の進行を遅らせられる可能性が出てきた」と述べている。ただ、認知症の原因はいまだ完全には解明されておらず、歯周病の治療を進めても認知症が治るということではないが少しでも予防や症状悪化の遅延が図られれば大変有益である。
歯周病治療は一般的であり治療自体に外科的手術を除きほとんどリスクはありません。動物実験の段階ではあるが早々に取り組むべきと思います。歯周病は成人病で全身の免疫力との
関係もあり完治しにくい病である。日常の手入れ、特に歯ブラシとフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどの併用で十分安定させることはできます。