NO.89 「最近あった質問 15」
Q. 先日、ある週刊誌にインプラントで亡くなられた方がいると報じられていましたがインプラントはそんなに危険なんですか

 A
本来インプラント施術は基本に忠実にCT(3D)レントゲンを精査し、患者さんご本人の身体の状況や特性を十分把握し、しっかり準備を行い、時間の余裕を持って施術していけばそんなに危険はありません。 特に最近のインプラントの成功率はかなり高いのです。
それでは今回の不幸はなぜ起きたのか、千件を超える施術数、仮にその数が事実だとすれば学術的にも施術数も問題ありません。それが逆に慢心を生んだのではないでしょうか。
記事の内容から見えてくるのはインプラントの影の部分です。患者さん側からは判断基準として施術数を求められます。健康保険が使えないので高額な施術料が見込める、そこで他院より安く設定し数を稼ぐ高収入の誘惑にも惹かれます。一日5から10件以上の手術をこなし、多くなりすぎると前段のような準備を含め、基本を大切にした診療は不可能と思います。人の身体は一人ひとり違いますし、神から与えられた小宇宙です、手技に慣れてきても畏敬の気持ちを忘れずに丁寧な対応によりこのような事故を防げるのではないでしょうか。