NO.40 「お口病気と全身の病気」(2)

 ・お口の中に炎症があり細菌が多い状態
 前回はある患者さんの実例に触れましたが、今回は「お口の中に炎症があり細菌が多い状態」がなぜ脳梗塞や心筋梗塞の原因になるのか考えてみたいと思います。
 普通、指に怪我をしたり、転んでひざをすりむいても炎症は2,3日でなくなり傷口も血液が固まり感染を防いでくれます。しかし歯槽膿漏のような慢性的な疾患の場合は、毎日、細菌が歯肉等を攻撃し炎症が連続的に続いています。このような環境では体調が悪くたった時や何かの刺激、ストレスで毛細血管から細菌が血管の中に入り感染を起こしやすくなります。この感染からの毒素や炎症を引き起こす物質等で血栓が出来るといわれております。そしてこの血栓が心臓の冠動脈で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞となるので重篤な結果を招くことになるわけです。このような状態を招かないように予防を大切にしていただきたいと思います。
 まず、この欄の第1回目で掲載した「歯の治療が嫌いなら歯の清掃」(当院HP こちらの歯科診療ヒント1)を参考にして100点満点の歯ブラシを実行してください。
 詳細は次回にしたいと思います。