NO.39 「お口病気と全身の病気」(1)

 ・お口は身体の調子を表す信号機
 長年患者さんのお口の中を見ていますと、いろいろ感じることがあります。仕事や家庭の環境の変化、また加齢との関係等、原因は千差万別ですが、お口の中の変化とお身体の状態はかなり密接に関係しています。
 歯周病の定期検診でおいでの当時50歳後半の男性の例ですが、症状は、以前より「歯肉が腫れている」、「口臭が増した」、「清掃状態が良くない(本人は今まで同様に清掃しているとの事)」、また「疲れた感じの顔」、「肌が荒れている」。など細い変化がたくさん見受けられました。その日は口腔内の清掃をして計画を相談し、最後に「お疲れの様子ですが」とお聞きしたところ「ちょっと仕事が忙しくて」との事。私は「出来るだけ睡眠や休養をお取りください」と話して終わりました。
  それから1ヶ月ほどして、偶然奥様にお会いしたら、実は「主人が脳梗塞で先日入院しました」と伝えられ、私は心の中で「しまった!もっと強く警告をすべきだった」のでは、との思いが頭を過ぎりました。
 今は、このような事例ではできるだけ状況を説明して注意するようにお話しています、皆様も似たような症状のある方はご注意下さい。