NO.38 「歯周病について」 (6)

 今回は歯周病で重篤な場合(P3)についてお話したいと思います。歯周ポケットの深さが8ミリから10ミリ以上あり動揺も多く、上から押すと少し沈むような感じもあります。ここまで悪化すると、治療をしてもあまり改善しないのが現状です。
 このような場合、歯を抜くことになりますが、多くの方が何とか延命して欲しいと希望されます。
 痛みや、炎症が少なく症状が軽度な場合はしばらく延命を試みます。多くは直ることはありませんがご本人の了解を得て、歯の周囲の清掃、洗浄、抗生物質の貼付等を定期的に繰り返して行います。必要に応じて付近の健康な歯を利用して、ボンドで動揺を止める(暫間固定)処置を併用する場合もあります。短いときには1ヶ月程度で抜くことになる方もいますが、長い場合は2,3年延命できる場合もあります、ただお約束は出来ません。大学病院等でだいぶ研究が進んでいますが、P3になった場合は抜くことから逃れることは不可能なようです。
 大切なことはやはりここまで悪くする前に治療に入ることです。