NO.49 「医食同源 身体と食べ物」(5)

 今回は前回、登場した疾患感受性遺伝子についてお話したいと思います。
 歯科に直接関係ある代表的な生活習慣病は歯周病ですが糖尿病や高血圧症は日常的に大変多く、歯科治療においてそのかかわりは大変密接です。
  これらの病気を含めた生活習慣病、及びその他の一般的な病気(例えば喘息、通風など)は原因遺伝子を含む複数の疾患感受性遺伝子や環境要因により発症する「多因子性遺伝性疾患」と言われ、最近多くの医療関係者によりこの研究が活発に進められています。
  実際の応用としては、食塩のとり過ぎによる高血圧症についてはよく知られていますが、とり過ぎですべての人が高血圧になるわけではないようです。「高血圧症の発病に深く関わっている食塩感受性遺伝子を持っている人を特定し、小さい頃から減塩を含む生活習慣の指導でその高血圧発症やそれに起因する生活習慣病を未然に防ぐ」という研究です。近未来の医療では直接、遺伝子への処置により疾病を予防することも現実のことになると思いますが、現段階では食生活等の生活習慣の改善が最良の薬だと思います。